2018_08
19
(Sun)05:00

夏に、夏で、夏なんだ!後編

こちらは以前連載していた『好きに、好きで、好きなんだ。』の番外編になります。

初めましての方は本編の方から読んで頂くとわかりやすいです。

本編はこちら→『★』

ラストでふたりが結ばれてからの…最初の夏のお話です(笑)





samas.jpg




「ねぇ…ひとり?一緒に遊ばない?」
「…」



ひとりで考えたいのに、どうしてこうも俺は人目を引いてしまうんだろう。
そう言ってしまえばただの自慢かよって突っ込まれそうだけどさ…ひとりになりたい時には流石に鬱陶しくてイライラする。
ちらっと振り返れば惜しげもなく肌を晒したナイスバディ―な女性数人。

…チャンミンの方がずっと可愛い。



チャンミンにムカついて、俺はひとりで歩いて岩場の方に来た。
そこに座り込んで海を眺めて…とりあえず頭を冷やそうと思ったんだ。
追いかけてなんて来ないだろうし、少し冷静になったら戻ろうかな、なんて考えて。



チャンミンと初めての海で俺はかなり浮かれていた。
夏は大好きだし、一緒に沢山遊ぼうって思っていたし…チャンミンと一緒なら絶対楽しいってワクワクしてさ。
ふたりで出かけるなんて…あんまりなかったし、だから今日は最高の思い出を作ろうって…張り切っていたのは俺だけだった。

朝からチャンミンは嫌そうだったし。
海に来てもその表情は曇ったままで。
泳ごうって言っても動かないし。
何よりもまた自分の殻に閉じ籠ってうだうだしてる。






…仕舞いには、俺のこと…自分とは違うって。












「…なんだよ…あいつ…」


「ねぇ、お兄さん、聞いてる?」
「悩んでる横顔も素敵」






あーもううざい!さっきからもう3人目だ、俺をナンパしてるく奴!
ひとが考え事してるんだから放っておいてくれって怒鳴りそうな勢いで振り向いたよりも先に聞こえたのは。






「うるさいっ!見てわかんない?彼女いるの、この人!ほらあんた達の目の前の私、見えてる?
ナイスバディで、美人の彼女がいるのが見えないの?!あんた達の目は節穴か!

さっさと消えて!ほら!あっち行って!」


俺に寄って来ていた女性たちは、その勢いのある一括ですごすごと消えていく。
そんな後ろ姿をアッカンベーと仁王立ちで見送る女性。








「…ヒョヨン、それ言い過ぎだろ…」
「はぁ?!どこが?どうみても正解でしょ!このヒョヨン様の完璧な容姿!」
「…お前、彼女じゃないけど」
「うるさい!そうでも言わないと追い払えないでしょうが!」
「…」




確かにそうだな、と俺は納得する。

俺の妹なだけはあるな、とも頷いた。

容姿は兄妹だからまぁ、完璧だろう(自覚あり)。
自信過剰…ではなく、本当に兄の俺から見ても妹はしっかりしてるし頭もいい。
だから俺はいつもヒョヨンに助けられてるし…妹がいなかったらきっとチャンミンとも付き合ってなかったかもしれないし。

今だってチャンミンと喧嘩した俺を心配して追いかけて来てくれて、ナンパして来た子達を追っ払ってくれたんだから。




「…ありがとうな、ヒョヨン」



しゅんとして膝を抱える俺の横に来て、腕を組んで呆れた顔で立っている。
ヒョヨンの金髪が太陽に反射してキラキラ光って眩しくて、俺は思わず目を細めた。



「…オッパ、チャンミンさんのこと…本当はわかってるんでしょ?」
「…」
「言い過ぎたかもって思ってるんでしょ」
「…」



俺の心を見透かしたように話す妹に、俺は返す言葉もない。




チャンミンにムカついてるのは事実だし、せっかくのデートなのにって悔しいのも事実。







でも、ヒョヨンの言う通りだ。



あのチャンミンが、あのいつも家に閉じこもってひとりが大好きなチャンミンが…海に一緒に来てくれただけでも凄いことだ。

それだけじゃない。
あいつはちょっとずつ変わろうと努力してる。
あの学祭の後からずっと、俺の知らないところで色んなことを頑張っているんだ。
それは自分の生活スタイルだったり、俺との付き合い方だったり。
俺に合わせようとしてるのは、十分感じてた。


ただ、今日は…俺の感情が先走ってあいつの気持ちよりも自分を優先させてしまったんだ。








「チャンミンさん、オッパのこと大好きなんだよね、本当に。
私はサニーから話を聞くだけなんだけど…自分の生き方を変えるのって、物凄く怖くない?だって、今まで正しいって思っていたことを否定しなきゃいけないんだよ?
大袈裟かもしれないけど…
でもチャンミンさんはオッパの為に努力してるじゃん。ほんの些細な変化しかまだ出てないかもしれなけど、でもあのチャンミンさんが前髪を切ったことって…相当の勇気がいったことだと思うわよ?」




そう、その通りだ。
いつも人目を気にして隠れる様に生きてきたチャンミンが、前髪を切った。
普通の人からしたらどうでもいいことかもしれない。
でもあいつからしたら…それは相当の覚悟を持って切った筈だ。




「オッパ、その時なんて言ったか覚えてる?」
「…俺が?なんて言った…?」
「俺の次に男前だ、って」
「…」



俺の馬鹿。



「サニーはチャンミンさんに、頑張ったんだねって言ったんだって。そしたら泣いたらしいわよ。


…僕は、ユノに相応しい男に近付けましたか?って」






俺の為。そう、チャンミンは全部俺の為に努力してくれてた。
自分の為なんだろうって思っていたけど、実際はそうじゃなかった。

そんなチャンミンが可愛いって思ったし、嬉しいって思ったし。





「当たり前じゃないよ、オッパ。
自分の為に歩み寄ろうとしてくれる誰かがいるって、嬉しいことだけど…それって相手にしたら物凄くしんどい時もあるんじゃない?

オッパだって、無理でしょう?
いきなり全部自分を否定して…こうであれ!って言われても無理よね?
なんで?って思っても、その人からすればそれが精一杯だったり。


求めすぎちゃダメ。当たり前じゃないの。

チャンミンさんがオッパの恋人でいようと努力してること…それは、当たり前じゃないし、もっとオッパもチャンミンさんに歩み寄ってあげなきゃ。





…ごめん、上手くまとまらない。オッパの妹だから、これくらいしか言えない…」
「俺の妹だからって余計だろ…そこ」
「あはは!まぁいいじゃない」




そう笑って、俺の背中をバンバン叩くヒョヨン。
痛い、でもその痛みはどんよりしていた俺の気持ちを勢いよく切り替えさせてくれた。








俺はチャンミンに歩み寄ろうとしてたかな。
なんでだよって言うばっかりで、思うばかりで…あいつのことを考えてやっていただろうか。
これくらい普通だろって思って言葉を発したことも多々あった。
その度にチャンミンはごめんなさいって笑ってたけど…本当はきっと、傷付いてたのかもしれない。

自分を変えようと必死で努力してるあいつに。
なんでだよって、完璧を求めて。
俺の当たり前の常識を押し付けて。




なんで…チャンミンはこうだよなって…わかってやろうとしなかったんだろう。




わかっている筈なのに。
あいつのこと、大好きなのに。

そういうチャンミンだから…好きになった筈なのに。

























「ユノっ!」








背後から聞こえる、愛しい声。

俺は思わず振り向いて立ち上がった。







「ユノ!待って…待ってくださいっ…!」



息を切らして俺に向かって走って来るのはチャンミンで。
でもさっきとは全然違うチャンミンだ。



「お前…焼けちゃうぞ?あれ?眼鏡…取ったのか?」



俺の目の前にやって来たチャンミンに向かって俺はおかしな質問をしてしまった。
喧嘩していた筈なのになに聞いてんだって思ったけど、俺からしたらそのくらいチャンミンの変化に驚いたってことだ。

さっきまで日焼けが嫌だってパーカーを着込んで蹲っていたのに。
目が見えないからって、分厚い眼鏡をいつもかけていたのに。

俺の目の前に立っているのは…逞しい肌をさらけ出して、意志の強い瞳をキラキラさせて立っている男だ。




「…脱ぎました。眼鏡…あれは、伊達メガネで…今はコンタクトで…」
「コンタクト?お前、いつから?!」
「そ、それはとりあえずもう置いといてっ!」



そう言ってチャンミンは俺の目の前にぐっと近付いてくると、勢いよく頭を下げたんだ。



「すみませんでしたっ…僕…あなたにとても酷いことを言ってしまって…!」
「え?」
「あなたのこと、僕と違うって…それは…ただの僕の言い訳でしかなくて…」
「や、チャンミン違うって。そうじゃないから」
「あなたはこんな僕でもちゃんと好きだって言ってくれるのに…」
「だから、ちょっと待て!チャンミン!」



一向に黙ろうとしないチャンミンの肩を掴んで頭を上げさせると、俺はそのままチャンミンをぎゅっと強く抱きしめた。
見た目は鍛えてがっちりしてるのに、抱きしめると俺よりも細い肩ってどうなんだよ。
ちくしょう、可愛い、やっぱり大好きだ。

予想外に抱きしめられたチャンミンは驚いて逃げようとする。
だから俺は益々強く抱きしめて、チャンミンの耳元で囁いたんだ。



「ごめんな…俺、チャンミンのこと、全然見てあげてなかった」
「…ユノ?」
「チャンミンはチャンミンだもんな。酷いこと言ったのは俺の方だ。

自分のことを悪く言ったっていいんだ。俺が大丈夫だよって、言ってあげればそれでよかったんだよな、チャンミン」



チャンミンはチャンミンだから。
だから大丈夫だよって、お前はそのままでも大丈夫だから、だから自信持てって…そう言ってやればよかったんだ。


俺とは違うのは当たり前だ。
俺とチャンミンは生まれた場所も育った環境も全部違う、違う人間なんだから。
だからこそ、お互いに認め合って歩み寄らなきゃいけなかった。


ヒョヨンの言う通りだ。


当たり前じゃない。お前が俺の為に変わろうとしてくれてることは…当たり前じゃないんだ。





ありがとう。
そしてごめんな?



俺、チャンミンのこと大好きだよ?そのまんまのお前が大好きだ。










そう言ったら、チャンミンは泣いていた。
俺の背中に手を回してぎゅっとして。
俺の肩に顔を埋めて泣いてたから、俺はチャンミンの耳にそっとキスをした。
愛してるよって、気持ちを込めて。













「…どこぞのカップルのラブシーンかと思ったわ…」
「間違いなく今日一番のリア充確定でござる」
「よくもまぁ恥ずかしくないわね…イケメンふたりのラブシーンなんて、ありがたいじゃないの!ごちそうさま」





さっきの光景がデジャブする。
3人の視線と容赦ない突っ込みに、チャンミンが我に返って俺から離れようとする。

だから俺は、絶対に離すもんかってくらいの力でチャンミンを引き寄せて抱きしめる。




「ユ、ユノっ!だめ、ダメですっ…!皆っ!見てますっ!」
「いいじゃん、見せつけてやろうよ…俺達の熱い抱擁を」
「そうじゃなくてっ…!あ、だめっ…そこっ…あぁっ…!」



男前なふたりが抱き合うシーンに、ギャラリーは何事かってくらい興味津々なんだろう。
人だかりが出来て、チャンミンは恥ずかしさに耐えられないくらいの真っ赤な顔で俺から離れようとする。
悪いか?恋人同士が抱き合って文句ある?


こいつが俺の、可愛い恋人。
愛しい愛しい彼女、チャンミンだぞ。








「大好き、チャンミン」
「ちょ…んーっ…!!!!」






嫌がるチャンミンにキスをしたら、それはもうこの日一番の大歓声があがったことは言うまでもない。








そして、チャンミンは結局またパーカーに分厚い眼鏡スタイルに戻って…
最後までパラソルの下から出てくることはなかったんだけどな。








「…恥ずかしくて消えたいっ!ユノの馬鹿!」
「…泳ごうぜ、チャンミン」
「僕はここから動きません!僕は貝になります!」
「…なら俺は貝を美味しく頂こうかな」
「なっ!ユノっ!だからっ…離せ!」
「あははは!絶対離さないもんね」
「あっ…ん、はっ…」




パラソルの下は、俺とチャンミンだけの世界。
甘い甘いキスとハグで、周りの目なんてクソくらえだ。

俺の可愛い可愛いチャンミン。愛してるよ、いつだって俺はお前に夢中だ。


























サ「結局いちゃいちゃしてるだけじゃん…痴話喧嘩ね、ただの」
ヒ「オッパにやけすぎ。チャンミンさんに殴られるわね…そろそろ」
ギュ「サニたん!拙者達も一緒にいちゃいちゃを…!」
サ「それ以上近付いたら砂に埋めるわよ」
ギュ「…ぐぅ!」










おしまい。





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あー楽しかった…(笑)結局ただの痴話喧嘩でした。
そろそろ連載の方をちゃんとアップしなきゃと思っているんですが…読切を書き散らしてしまっていたのですみません。


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2018/08/19 (Sun) 07:20 | # | | 編集 | 返信

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2018/08/19 (Sun) 08:03 | # | | 編集 | 返信

おはようございます ミュオンさん

昨日、このタイトルを見て『もしや‼‼』と思いテンション↑ながら開くと(≧▽≦)やっぱりー‼‼

夏の日差しも海もオタなチャンミンにはキツいのに~健気ーーーと思いながら、前髪切ってメガネ外したチャンミンとユノのイチャイチャに朝からキュンキュン(T▽T)しながら読ませて頂きました。やっぱり、この二人好きだなぁ…久々のキョヒョンの『拙者』も出たし(笑)

ありがとうございます✨今日もお仕事頑張れそうです!(*´∇`*)

2018/08/19 (Sun) 09:17 | のん #nlnTgiQk | URL | 編集 | 返信

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2018/08/19 (Sun) 11:19 | # | | 編集 | 返信

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2018/08/19 (Sun) 11:42 | # | | 編集 | 返信

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2018/08/19 (Sun) 11:51 | # | | 編集 | 返信

くまこ様☆

こんばんは!
私がそこにいたら…間違いなくビデオカメラ構えて1日追いかけてますね!
サニーとヒョヨンも同時に撮ってる(笑)
ギュ…水着なんだけど…
私のイメージとしては海パンの上にTシャツ着てて欲しい!
Tシャツのイラストは、サニたん♡
(ギュオリジナル作成)
絶対サニたん嫌がってると思いますけどね(笑)

コメントありがとうございました!

ネルモモ様☆

こんばんは!
14日のネルモモさん(笑)
素敵…そんなこと言われると調子に乗って益々書き続けますよ、このふたり(笑)
どっちかというと、妹達がしっかりしてるので…
それが書いてて私も楽しいのかなって思います☆
最近少女時代も活動ないので寂しいけど…
サニたんのおっ〇いが恋しいです…(笑)
ツイ検索でチャンミンアイコンなのですぐわかるかなーと思ったんですが…
見つけてくださってよかった♡
たまにぼやいてる程度ですがよろしくお願いします~

コメントありがとうございました!

のん様☆

こんばんは!
ヲタクミンには辛い夏…
でもユノの為に頑張ってるところが可愛いんです…ふふふ♡
普通にイケメンですよね、このチャンミン…
もうヲタクじゃない(笑)
もうちょっとキュヒョンの出番もあったらよかったんですけどね~
今回の主役はふたりなので…
そのうちサニたんとギュの恋物語でも書くかもしれないです(笑)
お仕事頑張れたかな~??
私も明日から仕事…頑張ります!

コメントありがとうございました!

2018/08/19 (Sun) 19:39 | ミュオン #- | URL | 編集 | 返信

たまちゃん様☆

こんばんは!
いたんですよ、このふたりも(笑)!
パパチャミ人気で忘れがちですが…意外と人気のあったふたりでした(笑)
貝になったチャンミンを食べるユノさんて、めっちゃエロくないですか!
私ビデオカメラ構えて観ますよ…うふふ♡
こちらこそ、読んでもらえてよかったですっ!

コメントありがとうございました!

じゆん様☆

こんばんは!
ありがとうございます♡
旧館から読んでくださっている方はすぐ入り込めるお話ですよね(笑)
楽しんでもらえてよかったです!
お休みの間に読者さんになってくださった方も結構いるみたいなので…
昔のお話はわからないかなーと不安もあったんですけどね。
Orange…まだそこは書いてなかったです…(笑)
考えよう…うふふ♡

コメントありがとうございました!

ばーちー様☆

こんばんは!
好きがてんこ盛り…そんな感じでしたね~(笑)
ここのふたりは明るいイメージなので…とりあえず軽い感じで書きました☆
好きだと言ってもらえるとまたすぐ書こうと思ってしまうお調子者です(笑)
またそのうち書くと思うのでその時はまた読んでやってください♡
ソンムル実用的なオリジナルグッズ、楽しみですね♡
(ツイ(笑))

コメントありがとうございました!

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2018/08/19 (Sun) 22:48 | # | | 編集 | 返信

chi-ko様☆

おはようございます!
長いお話ですよね…1話も長いのに全部読むとかなりの時間がかかるんですよ、私のお話(笑)
1話を短めに書いてもいいかなぁと思うんですが、それだと読んでつまらないかなぁと思ったり…
好き×3制覇おめでとうございます♡(笑)
旧館はかなり初期の作品もあるので恥ずかしいんですが楽しんで頂けると嬉しいなぁ!

コメントありがとうございました!

2018/08/20 (Mon) 08:35 | ミュオン #- | URL | 編集 | 返信

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