2018_11
06
(Tue)19:00

This is my love.15

並行世界のお話です。
リアルと混同しないでください。


人間とアンドロイドのお話。
今よりも少しだけ未来のお話になります。
ご理解頂ける方のみ、お進みください。
51501.jpg



side.C





ユノが僕に話してくれた次の日から、何故かユノは僕の傍を離れなくなった。
離れなくなった…という言い方が正しいのかはわからないけれど、とにかく僕が移動するとさりげなくいつも同じ空間にいるという事なんだけど。


一時は僕を避けていたユノが、今度は僕を常に視界に入れる距離にいることが不思議でしょうがない。












「ユノ、何かあったんですか?」
「…なんで?」
「僕の事で…何か気になる事でもありましたか?」
「何もないよ、チャンミンはいつも通りだ」




「…そうですか」









今日の会話だっていまいち噛み合っていない気もする。
あれから1週間経つのに何があったんだろう。
掃除をしながら振り返ると、ユノはソファーに座ってパソコンを開いて真剣に画面を見ていた。

…気のせいかもしれないな。







そう思い直し、僕はとりあえず買い物に行ってこようと上着を取りに部屋に戻った。


そして上着を着て部屋のドアを開けた途端、目の間にユノが立っていて驚いて足が竦む。






「…どうしましたか?」

「チャンミン、どっか行くのか?」

「えぇ、まぁ買い物に。今夜は何が食べたいですか?」
「…俺も一緒に行くよ」
「え?大丈夫ですから、ユノは仕事をしてください。忙しいんでしょう?」
「いいから、俺も行く」





有無を言わさず、とはこんな時に使う表現なのかな、と思った。
それくらいユノは真剣だったから、何か買いたいものでもあるんだろうと…それくらいしにしか思わなかったんだけど。


一緒に外に出て歩き出した時、ユノが僕の隣にピタッとくっついて腕を掴んだから驚いてしまう。
そんなにくっついたら歩き辛いと思うのに…でもユノは黙ってそのまま歩き続けるからやっぱり僕はユノに対しておかしいと思ってしまうんだ。

ユノなりの何か考えがあるのかもしれない。
従ってみようと思ってしまうのが僕の性格…ではなく、プログラムだろう。
よっぽどの事ではない限りユノに対してノーと言った事はないからだ。






ゆっくり歩いていて、有る事を感じた。




ユノは僕と一緒に歩きながら、周りをえらく気にしているように見えたんだ。
極端にキョロキョロしている訳ではなく、視線がせわしなく周りを見渡して動いている。
体全体が何かを警戒するよう構えている…そんな空気で。



一体何が起きてるんだろう。

僕が何かしてしまったのか、それとも…ユノ自身に何か危険が及んでいるとでもいうのか。







しばらく歩いていると、ふと目の前に誰かが立っていて、こちらを見ていることに気が付く。
ただそこに立っているだけなら気にならないけど、その男は明らかに僕を…いや、ユノを見つめている。
サングラスをしているせいか、その男の表情は読めないけどでも確かに僕達に視線を送っている事だけは感じていた。

ユノも同じだろう。
その男の存在に気が付いて、僕の腕を掴む手に力が入った。









「チョン・ユンホさんですよね」




すれ違う時、その男がユノの名を呼ぶ。
聞いたことのない声。
僕達よりも少し背が低い男だ。

僕は立ち止まろうとしたのに、ユノはそれを無視して僕を引っ張って歩こうとする。






「電話が繋がらないので直接あなたに会いに来ました」



そう言う男は、僕達の進路を遮るように移動して…僕達の前に立ちはだかったんだ。
そうなるとユノも流石に無視できないのか、足を止めた。
表情からして、この男が一体誰でなんの目的なのかをわかっているように見える。




「先日の件でお話したいのに連絡が取れないと…取締役から頼まれましてこうしてお伺いしました」
「…俺は何も用はない。帰れよ」
「それは、契約を無視されるということと…受け取りますがよろしいのですか?」
「無視してないだろ、まだその日じゃないだろ!」
「ですが…」
「いいから帰れよ!…チャンミンに聞かせたくない」
「…チャンミン…?このアンドロイドに名前を付けたんですか?」





この人は誰だろう。
どうしてユノはそんなに怖い顔で話しているんだろう。


契約…それは僕のことだろうか。
ユノの声が大きくなり、僕を掴む腕に力が入って。
そして僕と男に間に入り込んで、まるで僕の盾になるように立ったんだ。







「ちゃんと連絡するから、だから…今日は帰ってくれ」




真剣なユノの声。まるで否定出来ないくらい様な低い声でその男の顔を見つめてそう言って…そして男は小さく頷いた。




「必ず連絡ください。こちらとしても…強硬手段はとりたくありません」










男はゆっくりと背を向けて、人混みに消えていく。
ユノはその背中を唇を噛んでじっと睨みつけて。









「…帰ろう、チャンミン」
「え?でも買い物が…」
「いい、今日は何かテイクアウトしよう」




ユノは僕の顔を見ないし、僕の話も聞く様子もない。
強く腕を引っ張られてもと来た道をどんどん戻って行くユノに、僕は驚いてしまうけど。
でも聞きたいことは沢山あるんだ。

突然過ぎて頭が整理できない状況だけど、でも知りたい。
ユノが何を怒って、何から逃げようとしているのかを。
さっきの人は一体誰だ?
契約と言ったけど…僕に関してに違いないだろう。
だってさっきの男はユノが僕を名前で呼んだ時に驚いていたから。名前を付けたのかと…僕をアンドロイドだとわかっていた。







その日って、何?








「…ユノ、さっきの人は誰ですか?」
「仕事関係の人だよ。チャンミンには関係ない人だ」
「でも…僕をアンドロイドだと知っていましたよ?」





そう言うと、ユノの腕がぴくりと動いた。
でも足は止まらない。
僕を引っ張る強さは変わらなくて、その先の答えを聞きたいのに何も言ってくれないから。






「僕に関しての契約ですか?
その日って…一体その日に何があるんですか、ユノ」





「黙って、チャンミン。今度ちゃんと話すから、だから今は黙って俺の言う通りにして」








ユノは怒っている。
それが何に対してなのかわからなけれど、明らかに今の言葉には怒りの感情が混ざっていてるんだ。







僕はそれ以上何も言えなかった。

でも確かに僕の中で生まれた疑問と不安。
自分の中でそれを解決しようと思っても、求める答えが見つからない。



だから、わからなくて怖くなる。

自分の身に何かが起きるのか、それとも…もうすでに何かが起き始めているのか。












ユノは僕を見ないまま、僕達はただ歩いた。
僕を掴むユノの腕が強くて痛かった。



アンドロイドの自分なのに…人間の様に不安になるなんて、おかしいけど。









酷く、胸が軋んだ気がしたのは…きっと、気のせいじゃないだろう。




















rankingに反映されますので…
下の画像をワンクリックお願いします。

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ



拍手頂けるとやる気が出ます☆
ぽちっとお願いします☆
関連記事

C.O.M.M.E.N.T

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/11/06 (Tue) 20:30 | # | | 編集 | 返信

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2018/11/06 (Tue) 22:44 | # | | 編集 | 返信

くまこ様☆

こんばんは!
そうですね…流れがラストに向かってるかなぁといった感じです…
私も書きながらドキドキです、皆さんの反応が怖くて(笑)
明日婚お疲れさまでした♡
私の明日婚も…終わってしまいしばらくは寂しくて(笑)
早くDVD出て欲しいな~!

コメントありがとうございました!

つむじ風様☆

こんばんは!
私もドキドキしてて…不安です(笑)
ひとつのラストを皆さんが読んでどう思うのかなぁと心配ですが…
でもまだ終わりじゃないので(ややこしい)
ふたりの幸せは皆さんの幸せですもんね!
私も勿論、幸せ願いながら書いてますよ♡

コメントありがとうございました!

コメントの投稿

非公開コメント