2018_11
07
(Wed)05:00

This is my love.16

並行世界のお話です。
リアルと混同しないでください。


人間とアンドロイドのお話。
今よりも少しだけ未来のお話になります。
ご理解頂ける方のみ、お進みください。
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チャンミンと家に戻って来て、俺は玄関に鍵をかける。
そうしたって意味ないってわかっていても、誰にも会いたくな気持ちがそこに現れているんだと思う。


そんな俺をチャンミンは何も言わずにだたじっと見つめていた。









「…とりあえず、家にあるもので簡単に何か作りますね」
「あ…テイクアウトしようって言ったのに忘れてたな。何か頼もうよ」
「大丈夫ですよ、パスタくらいなら作れますから」




チャンミンの言葉に俺は少しホッとした。
誰かが家に来ることを少しでも避けたかったからだ。

それ以上何も言わず、チャンミンは上着を持って自室に行くとすぐにまたキッチンに戻って来た。








俺も自分の部屋に戻り、電話を取り出す。
ずっと拒否し続けた電話番号を見つめ、胸が酷く痛むんだ。
無視してしまえばいいと思った。子どもみたいな抵抗だけど、そうすれば逃げられるなんて…そんなことある訳もないのに。



電話が繋がらないから会いに来たと言ったあの男。
もし俺がこのまま電話しなければ…きっと今度は家にやって来るだろう。
あの契約書がある限り絶対に逃げられない事実がそこにあって、俺はもう何度あの時の自分を責めただろうか。




とりあえず深呼吸をして、俺は電話を掛ける。

どうかチャンミンを回収しないでくれと、何度だって願い出るつもりだ。














電話の相手はすぐに出て、俺は自分の名を告げると担当部署に繋ぎますと言われた。
どうやら俺の名前は…受付で把握されているらしい。
その事にも少しショックを受け、電話を持つ手に力が入る。






しばらくして。








『チョンさん、お電話ありがとうございます』



電話に出た相手は、チャンミンの声ではなかった。
さっきの男ととも違う…別の男の声だ。



「アンドロイドの回収をキャンセル出来る方法はないですか?」



挨拶なんてどうでもいい。
俺はただすぐに答えが欲しいだけだ。自分が望む答えを求めてるだけ。



『…何度もお話していますし、文章でも送っている筈です。あなたは契約の時点でイエスと答えている、それを変更することは出来ません』
「アンドロイドなら他にもいるだろ?どうしてチャンミンなんだよ!?」
『…アンドロイドに名前を付けることは珍しくありませんが、あなたはかなり入れ込んでいるようですね、0218号に』
「俺の家族なんだ…簡単に消すなんて受け入れられない」
『あなたが抱く感情…それ自体か0218号が存在する事への警告になるんです。あれはただのアンドロイドではない、初めから今後の我々の研究に役立てるために作られただけの存在です。
だからこそ、そのリスクを図る為に作られたんです。…今のあなたの状況がそうですよ、チョンさん』





きっと何を言ったって駄目なんだろう。
俺がどれだけ喚いたところで、会社側は絶対に受け入れない。

チャンミンはそれほどまでに大切なんだ…俺とは違う意味で、きっと。








『あなたが望むのなら、また同じ姿のアンドロイドをお返しします』
「俺は望むのは、今のチャンミンそのものだ!中身が変わるのなら意味ないんだよ」
『我々としましてもこれ以上の争いは避けたいですし、あまりにもあなたが状況の受け入れを拒否するのならば…強制的に回収する手段もあるんですよ?』
「…それじゃ誘拐と同じじゃないか」
『…回収は来週、7日後です。どうか…穏やかに手続きが進むことを望みます』
「チャンミンは渡さない、絶対に。
なんであいつの意思を無視して簡単に壊そうとするんだよ!人間だからってそんなに偉いのか?
なら最初から人間に近い存在なんて作らなきゃよかったんだ!



自分がもうすぐ死んでしまうなんて…そんな現実、チャンミンにどう受け入れろって言うんだよ!」





















「…僕は、もうすぐ死ぬんですか?」
















俺は心臓が大きく波打った。
全身が硬直して、一瞬どこから声が聞こえたのかわからなくて。

でもその声が俺に向けられている事、チャンミンの声だという事を理解して振り返ってしまう。
まるで条件反射の様に。


















「…僕は、回収されて…しまうんですか」

















チャンミンがそう呟いて、俺は電話を切った。
相手が何を言っていようとどうでもいい、ただ、この状況が信じられない。




いつからそこにいた?
一体どこから話しを聞いてたんだ?






チャンミンの手には珈琲とケーキが載ったお盆があって、俺に持ってきてくれたんだろう。

カタカタとなるコーヒーカップ。
震えてるのか?
なんで…なんで震える?

そうしてチャンミンはゆっくりと手に持っていたそれを、近くのサイドテーブルに置いた。




なぁ、こんな形でお前に聞かせたかった訳じゃないんだ。
最悪な形でチャンミンの事を知らせたくなかった。













「…チャンミン」
「あ、の…珈琲を淹れたので…どうか、と思って…ノックしたんですが…返事が、なくて…」
「チャンミン、聞いて」
「すみません、電話中だったんですよね?あの、盗み聞きするつもりはなかったんです…けど…僕の名前が、出たので…」
「チャンミン!」






俺はチャンミンに飛びつく勢いで駆け寄って、その手を掴んだ。
もう何も言わないでくれ、そんな気持ちで。


至近距離から見たチャンミンの瞳がキラリと光って見えて、それが涙が溢れそうになっているからだと気が付く。
俺はもう目の前の立つこいつが人間にしか見えない事実がたまらなく辛くなる。
俺と同じ様に傷付くんだよ、涙だって流してる。




それなのに…人間じゃないって理由で、壊されてしまう。








「…僕を誰か…迎えに来るんですか?」
「誰も来ない。チャンミンはずっとここに居るんだ」
「あの男ですか?さっき…外で会ったあの男が、僕を迎えに来るんですか」





「誰もチャンミンを連れて行かないよ。俺が守るから。


だから大丈夫、お前は…ずっと、俺と一緒だ」








チャンミンをそっと抱きしめる。

抱きしめるチャンミンの肩はやっぱり僅かだけど震えていて。



俺は絶対にチャンミンを守ってみせると、心に誓った。
何があっても、絶対に。



お前を誰にも、壊させはしない、と。

















※本日19時時恋。更新します。


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2018/11/07 (Wed) 07:47 | # | | 編集 | 返信

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2018/11/07 (Wed) 14:05 | # | | 編集 | 返信

あさ様☆

こんばんは!
なかなかハードな展開になりそうです…
皆さんの反応が怖いんですけどね、実は(笑)
でも最後まで頑張って書き上げようと思ってます!
ユノがアンドロイドのイメージはあんまりないですね~確かに(笑)
ユノはアンドロイドでもボディーガードタイプっぽいなぁ。
でも凄く強そう(笑)

コメントありがとうございました!

ばーちー様☆

こんばんは!
私の中では絶対にハッピーエンドですよ!
ホミンには幸せしか似合わない…でも簡単には進まない(爆)
皆さんの反応が結構怖くてドキドキなんですけど、でも最後はヨカッタって思ってもらいたいです。
その為には…とりあえず書く!
感想でもつぶやきでも、何でもOKですよ~♡

コメントありがとうございました!

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